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読書記録:『ブラジャーで天下をとった男 ワコール創業者 塚本幸一』


吾輩はポンコツである。

 

今回は4月に読んだ本(2冊目)の読書記録である。

 

それでは早速、記録を残していこう。

 

今回は読んだ本はこちら👇

 

世界有数の女性下着メーカーとして知られるワコールの創業者、塚本幸一。彼は太平洋戦争の激戦の中でもとりわけ悲惨なものとして知られるインパール作戦の生き残りであり、失った戦友たちへの思いを胸に、再びビジネスという名の戦場へと向かっていく。ベンチャースピリット溢れる豪快華麗な生涯を描きだす大型評伝である。
Amazonの商品説明欄より一部引用)
 
まず、なぜこの本を選んだかというと、ズバリ「タイトルに惹かれたから」である!
 
一見、“ブラジャー”と“天下をとる”という言葉は共存し得ない組み合わせのような気もするが、今回はまさにそのギャップに惹かれたのだ。
 
“ブラジャー”と聞くと、どうしてもスケベな連想をしてしまうところがポンコツの悲しい性なのではあるが、この本の主人公である「塚本幸一」はそんな浮ついたところは微塵も感じさせない、まさに“男の中の男”だった。
 
そもそも、太平洋戦争の中でもとりわけ無謀で悲惨な作戦が実行された「インパール作戦」から“奇跡的に生還した”というだけでも一冊本が書ける程のインパクトがあるのだ。
しかも、その生き残りの兵士がポンコツの自分ですら知っている「ワコール」を創業し、世界と戦っていたというのだから、これはもう面白くないわけがない。
 
また、松下幸之助稲盛和夫などといった、日本のビジネス会のカリスマ(もはや神様)達も登場するところがまた胸熱なところである。
 
個人的には『海賊と呼ばれた男』のモデルとなった「出光佐三」のインパクトが強く、また改めて『海賊と呼ばれた男』を読み直したくなった。
こちらの本も非常に面白いので、読まれたことがない方はぜひ読んでみて欲しい👇
 


「社員を信じる」という姿勢こそ、今の日本企業が学ぶべきところだと強く感じた。
ただ、「社員を信じる」のではなく、「これで社員に裏切られたら、それはもう仕方がない」と思える程に、まずは会社が社員に誠意を持って対応することが肝心なのだと学んだ。
 
また、本書の中には度々“近江商人”という言葉が出てくるのだが、「塚本幸一」氏のルーツがこの近江商人という集団とのことだった。
近江商人という言葉はなんとなく聞いたことがあるような気がするが、今まで全く知る機会がなかった。
簡単に調べてみたところ、「三方よし(売り手によし、買い手によし、世間によ)し」という、この超有名な言葉こそ近江商人の経営理念を表したものなのだそうだ。
滋賀大学宇佐美名誉教授によれば、「『売り手によし、買い手によし、世間によし』を示す『三方よし』という表現は、近江商人の経営理念を表現するために後世に作られたものであるが、そのルーツは初代伊藤忠兵衛が近江商人の先達に対する尊敬の思いを込めて発した『商売は菩薩の業(行)、商売道の尊さは、売り買い何れをも益し、世の不足をうずめ、御仏の心にかなうもの』という言葉にあると考えられる。」とのことである。自らの利益のみを追求することをよしとせず、社会の幸せを願う「三方よし」の精神は、現代のCSRにつながるものとして、伊藤忠をはじめ、多くの企業の経営理念の根幹となっている。
 
こちらも、現在の私たちが学ぶ意義のある教えだと強く感じるので、近いうちに近江商人に関する本も探して読んでみようと思う。
 
これは本書には書かれていないことだが、現在、ワコールは24年3月期の連結最終損益で2期連続の赤字を見込み、希望退職者が想定を上回るほど殺到するなど、大変な苦境に立たされている。
ワコールが強みとする量販店や地方百貨店の閉鎖が相次ぎ、販売基盤が失われていったことや、ユニクロの「ブラトップ」などの低価格で使い勝手の良い商品に市場を奪われていることが要因のようだ。
日本を代表して世界と戦ってきたワコールが、現在の厳しい状況をどのように戦っていくのか、今後のワコールの動きにも注目していきたい。
 
 
今日はここまで。