ポンコツですけどなにか?

ポンコツのポンコツによるポンコツのためのブログ♪

読書記録:『極楽征夷大将軍』


吾輩はポンコツである。

 

2月はあまり読書のペースが上がらず、結局5冊しか読むことができなかった。

 

コロナのお見舞いに近所のママ友が本をたくさん貸してくれたりもしたが、本を読む体力と気力が損なわれてしまっていたので、結果的にそのまま放置してしまった。

 

というわけで、今回は2月に読んだ本の中から面白かった本を2冊ほど記録しておこうと思う。

 

まず1冊目はこちら👇

 

 

第169回直木三十五賞受賞作

やる気なし
使命感なし
執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?

動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて後醍醐天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。

混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?
幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
Amazonの商品説明欄より)

最近、歴史小説の魅力にハマった人から紹介された本。

 

歴史を習ったことがあれば「足利尊氏」という名前は誰もが聞いたことがあるだろう。

日本人にとってはメジャーな存在ではあるが、自分を含む多くの人にとって「室町幕府を開いた人」というぐらいの認知度だと思う。

 

この本を読むことで、足利尊氏が何をした人なのかがよくわかってくるのだが、この本から学べるところはそういった歴史の流れだけではない。

 

個人的に一番印象に残ったのは、「令和にも活かせる“求められる”リーダーの在り方」である。

 

リーダーや上司というものは「部下よりも優れている」「仕事で成果を出した」などといった理由で選ばれている場合が特に日本では多いと思う。

 

学校で例えるならば、「テストで高い点数が取れた人」や、「早く、多くの問題を解けた人」のようないわゆる“答えが決まっている”ものごとに対して、早く正確にその答えに辿り着く能力の高い人が重宝されるイメージだ。

 

時代の流れが早く未来予測が困難な現代において、そのような「量産型の秀才タイプ」を選んでリーダーにしている会社は、もはや時代遅れであり、ナンセンスである。

 

だからこそ日本企業は変化するタイミングが遅かったり、イノベーションを起こすことが苦手なのだとも思う。

 

おまけに秀才方のリーダーを大量に設置することで「社員のモチベーションも上がらない」という副産物まで発生してしまっている。

 

おっと、ここら辺で止めておかないと、また話が脱線してしまいそうなのでやめておこう。

 

とにかく、足利尊氏というリーダーを一言で表すと

 

ポンコツ

 

なのである。

 

そう、自分と一緒。

 

ただ、足利尊氏は自分のような「ノーマルポンコツ」と違い、「カリスマポンコツ」なのである。

 

同じ「ポンコツ」でもモノが違うのだ。

 

足利尊氏の「カリスマポンコツ」とは、こんな具合である👇

 

  • 仕事はできない(やる気がない)が、全体の流れを俯瞰して見る能力がある。
  • 些細なことの判断は他人任せだが、ここぞという時には絶対に揺るがない意志を見せる。
  • 勉強は嫌いだが、物事の本質を見抜く力がある。
  • 失敗した人を責めない。(自分を含め、「人は失敗するもの」だと理解している。)
  • 人徳がある(ポンコツなのに、不思議と人を魅了する力がある。)
  • 余裕がある(自分にプレッシャーをかけない。もちろん他人にも。)
  • 欲がない(出世する気なんてさらさらない。むしろ楽したい。)

 

作中の「足利尊氏」は、このように少し浮世離れした、世俗の欲から逸脱した人のような描かれ方をしている。

 

現代の日本の多くの企業では、このような人は「いい人」や「無害な人」とは思われても、多くの場合「リーダーにしよう」とはなりにくい人材だろう。

 

だからこそ、型にハマったマニュアル通りのリーダーや、魅力のないリーダーが大量発生し、そのおかげで仕事というもの全体をつまらなく・変化のない・楽しくないものにしてしまっているのではないだろうか。

 

リーダーは役割であって、優秀かどうかは関係ない。

 

そのリーダーと一緒に頑張りたい!とチームのメンバーに思わせる魅力があれば、その時点でリーダーとしての役割の大半を果たしているのである。

 

「人事や評価は、組織を支える背骨である」

 

といった話を何かの本で読んだことがあるが、全くもってその通りだと思う。

 

仕事の効率や結果だけを評価していると、「ビッグモーター」のような倫理観を失った組織が出てきてしまう。

 

これは「ビッグモーター」の事件のあとも、様々な企業の不正が続出していることからも、現代の日本が抱えている問題とも言えるだろう。

 

事件にはなっていないものの、企業が余裕をなくすことで「効率化」や「利益重視」路線に走り、モラルを失っている状態の企業は山ほどあるだろう。

 

目先の利益獲得に追われ、全体の流れを見誤ってしまう企業が続出してしまっている今こそ、この「足利尊氏的リーダーシップ」から学べる部分が多いのではないだろうか。

 

自分も同じ「ポンコツ」人間だが、足利尊氏のような「カリスマポンコツ」にはなれそうにないことは明確に自覚している。

 

ただ、「おもしろユニークポンコツ」にはなれる可能性はまだ残っていると思うので、そこを目指して今日も「ポンコツ」に磨きをかけていこうと思う。

 

 

ちなみに、リーダーシップに関してはこちらの本も読みやすかった👇

 

 

自分のように漫画の『宇宙兄弟』が好きな方は、実際のシーンを思い出しながら「なるほどねぇ〜」と読めるので2倍楽しめるハズだ。

 

リーダーシップ論に興味がなくても、宇宙兄弟好きな人にはぜひ読んでいただきたい。

 

「さすがムッちゃん!」

 

となるハズである。

 

 

そういえば、冒頭で「2冊紹介する」的なことを書いたと思うが、1冊でだいぶ長くなってしまったので、紹介したかったもう1冊はまたの機会に紹介させていただこうと思う。

 

 

 

今日はここまで。